白山(はくさん)は富士山・立山と並び日本三霊山の一つであり、石川県、岐阜県にまたがる山です。白山は標高2,702メートルを誇り、その名は古く平安時代・古今和歌集「越の白嶺」と呼ばれ、古くから信仰の対象として崇められてきた神聖な山です。「白山」という名の山頂はなく、最高峰の御前峰(ごぜんがみね)・大汝峰(おおなんじみね)・剣ヶ峰(けんがみね)・別山(べつざん)などの峰々の総称。そんな白山(御前峰)にテント泊・一泊二日で行ってきたレビューをヘタレ山楽家目線でお伝えします。
白山の特徴
日本三霊山・日本百名山・花の百名山の一座である白山には登山ルートが複数あります。メジャーな登山口・別当出合〜のルートは最短・ピストンで行っても富士山やアルプスと遜色ない距離・累計標高差があるので覚悟の上のぞみましよう。最もメジャーな砂防新道のルートは整備されていて歩きやすく、標高2702mの高山からの森林限界を超えた景色、雲上の景色や花の百名山らしい美しい自然を堪能しながら山頂を目指すことができます。また、国定公園内ということもあり山小屋・避難小屋・休憩所などが豊富でキレイなことも魅力の一つです。
初級者視点の評価
結論>めちゃくちゃいい山でしたが、初めて2500m以上の山を登る人や体力に自信がない方にはおすすめはできず。1泊2日でも行程は長く登り・下り続ける体力が必要。日帰りでも行けますが、コースタイム通りに登れる人、体力に自信がある人向けです。楽しさ度合いは逆に群を抜いて良く、施設充実・今までで一番キレイなトイレは平地と遜色ない水洗トイレ、キツくて登り切った後の絶景は来てよかったと思わせてくれるには充分すぎる山でした。
おすすめポイント
・富士山・立山と並ぶ日本三霊山の一座
・室堂・白山奥宮祈祷殿など神聖な雰囲気
・小屋・施設が充実、水洗トイレも多数
・360度の山頂眺望・アルプスの絶景
・これぞ花の百名山の各所のお花畑
・登山ルート多数あり
お気楽度的マイナスポイント
・長く登り続けるキツさ
最短ルート標高差1500m・12km
筆者のルート標高差1700m・17km
・標高差1000m以上、10km以上の行程の体験がない人には厳しい
・関東圏からのアクセスの遠さ
- 素点の個人的アバウトルール
登山口へのアクセス
【アクセスは「白山観光協会HP」でご確認ください】
【電車・バス】
白山登山バス
・JR金沢駅から別当出合行き(約2時間)
・JR松任駅から別当出合行き(約1時間40分)
【マイカー】
北陸自動車道白山ICから約65km
別当出合駐車場200台(約1時間30分)
市ノ瀬駐車場750台(約1時間10分)
ハイシーズンはマイカー規制あり
その際は市ノ瀬駐車場〜シャトルバス利用
ルートマップとコースタイム
ヘタレ初級山楽家(筆者)のYAMAP活動履歴から見るルートマップ
※地図はYAMAPの私の活動履歴より※
メジャーなルートは別当出合登山口から砂防新道を経て黒ボコ岩~室堂・御前峰に行くルート。私たちは、直前に白山に行くことを決めたため、室堂の予約が取れず、初日は中腹のテント場へ向かい、2日目に山頂〜お池巡り〜テント場(撤収)〜下山と2日目がかなり厳しくなるルートを選択しました。ヘタレの私からすると初日も2日目もかなりキツく、下りがキライな私には2日目の長〜い下りが厳しく、体感としても中飯場⇔甚之助避難小屋が長かったです。※この区間は登り下りともにキツかったです😂
区間 | 距離 | 標高差 | 勾配 | 斜度 |
---|---|---|---|---|
白山A/中飯場〜避難小屋 | 1800m | 484m | 26.89% | 15.3度 |
白山B/南竜山荘上部〜トンビ岩 | 800m | 267m | 33.38% | 18.3度 |
白山C/室堂〜御前峰 | 700m | 248m | 35.43% | 19.3度 |
比較/丹沢大山急登箇所(男坂) | 700m | 284m | 40.57% | 22.5度 |
※注意※データは粗く正確でないので参考程度
白山でキツイと思った区間を比較。区間中にも平坦な箇所があったりするので体感値との差はあると思いますが、今回一番斜度が高区観じたのは山頂手前だったので、データと感覚の相違なし。ただ、体感一番キツいと感じた中飯場~避難小屋は斜度はそれほどなかったので、距離の辛さ・荷重の辛さというのもあるんだなと再認識しました。
※データの抽出方法/YAMAPの行動履歴のGPSデータから距離・標高を取得し計算。距離は100m単位・GPS精度問題など、粗さまんてんですが、個人的には参考になるのでご紹介。
実際の行動時間
登山口/別当出合登山口
ルート①/別当出合→砂防新道→黒ボコ岩→室堂→御前峰
コースタイム/登り4:40・下り2:50 合計7:30
距離/8.5㎞ 累計標高差(登り)965m
ルート②/別当出合→砂防新道→南竜道→南竜ケ馬場テント場→トンビ岩→室堂→御前峰
距離/17.5km 累計標高差(登り)1700m
コースタイム/登り5:20・下り3:40・合計9時間
ルート/ルート②と同じで山頂へ、下山はお池めぐりルートを経由し室堂へ
行動時間(休憩含)/18時間10分
行動時間(休憩含まず)/13時間
登り約7:10 (+休憩1時間25分)
下り約5:50 (+休憩3時間45分)
※テント泊時の時間は含まず、テント撤収時間は休憩に含む
コースタイム通りに歩ける力があるかたは日帰りも可能ですが、個人的には1泊2日をおすすめしたい。理由は時間的な余裕ができること、景色のランクがあがることです。白山はお花畑や山頂景色、池・雪渓、山小屋・神社など様々な見所が室堂~山頂エリアにあるので、早い時間からそのエリアで行動可能な宿泊パターンが個人的にはおすすめです。
行程photoギャラリー
日本三霊山・白山テント泊🎦遠くて…キツくて…最高の山!
別当出合~甚之助避難小屋へ
別当出合登山口
登山ピーク時期は別当出合まで登る道がマイカー規制あり。別当出合登山口にはトイレや自動販売機あり。
登山口~中飯場〜甚之助避難小屋へ
白山登山で一番の衝撃は各施設のトイレの綺麗さと飲用可能な水道が各所にあること(中飯場・甚之助避難小屋・南竜山荘・南龍ヶ馬場・室堂)。登山道も広く整備されていて休憩もしやすい。甚之助避難小屋までもしっかり距離と標高差がある中、多々休憩しまくりました😭
南竜分岐~南竜ヶ馬場テント場~室堂へ
南竜分岐~南竜ヶ馬場テント場
甚之助避難小屋の上部に分岐があり、そこから南竜山荘までは比較的平坦な山道。テント場は広く、山荘から少し離れていますが、水場と水洗トイレがあるので過ごしやすい。近くの小川でクールダウンしましたが、それもテント泊ならではの楽しみ方ですね😁
トンビ岩コースで室堂へ
私たちは3時30分にテント場を出発。ヘッドランプ登山は黙々と。荷物をデポしたのもあり室堂までは比較的楽に登れた区間でした。
御前峰~お池めぐり~室堂へぐるっと一周
室堂・白山奥宮祈祷殿~山頂へ
最後の登りはこのルートの中で一番斜度が高くキツイ区間。森林限界も超えて日差しも直接浴びるので暑さ対策も必要です。
絶景の山頂・火口・お池めぐりへ
山頂からは別山・大汝峰・剣が峰など近くの山々から北アルプス・富士山など遠方の山まで見える360度眺望。山頂からの下山は少し遠回りをしてお池めぐりも選択肢。キレイな池や夏でも残る雪渓が見られますが1h程かかるので、疲れている方は冷静に要検討。
下山~お風呂・お食事へ
下山も長い。テント回収して下山・金沢グルメへ
今回の下山はなかなか厳しかった😭。室堂に戻りレストランでカレー&ビールの予定は営業時間(11時~)の関係で利用できませんでしたが、生ビールを楽しみましたが、南竜ヶ馬場へ戻り、テントを撤収してそこから長い下山、室堂出発~なんだかんだ6時間の下山がハードでした😥。帰りの湯は別当出合~40分程にある比咩(ひめ)の湯。こちらはコスパ最高の600円で楽しめる日帰り温泉、カロリーbackはせっかくなら金沢グルメということで、人気の回転寿司を楽しみました~😎
白山は初心者向けか
※高尾山を⭐4,筑波山を⭐3のイメージ。
※初級ヘタレ山楽家が勝手な主観で判断する白山・別当出合登山口からの評価。
正直初心者向けではありません。すごく行ってもらいたいと思う山ですが距離・標高差・行動時間が重たいです。体力に自信がある人であれば行ける可能性はありますが、それでも標高の高い場所にあるので要注意。ルート上に危険箇所はほとんどなく、整備された登山道・山小屋や避難小屋などの充実した施設・最高の景観、、、初心者の方にも行ってもらいたい気持ちもあり😥ますが、まずは他の山で経験を積んでからの方がよいでしょう。経験ある方に同行してもらえるなら是非、行ってもらいたい山です。