日本百名山とは、小説家で登山家の深田久弥氏が1964年に執筆した山岳随筆「日本百名山」に載っている100座のことです。百名山に記載されている山は魅力的で人気が高い山も多く、北アルプス・中央アルプス・南アルプスなどの日本アルプスを中心に標高も難易度も高い山が沢山あります。そんな百名山の中にも日帰りで行ける・初心者でも行けるイージーに登れる関東近郊の山をピックアップしてみました。

日本百名山に登るメリットとは?

日本百名山に登るメリットや楽しさ
・ルートが整備されている山が多い
・山小屋・茶屋・トイレがある所も多い
・事前情報が収集しやすく準備しやすい
・ルートバリエーションが多い
・有名な山に登った嬉しさがある
・歴史があり信仰の対象となる山が多い
・山腹・山頂近くまでロープウェイ・ケーブルカーなどがあり初心者でも行ける山も多い
などたくさんのメリットや楽しさがあります。もちろん日本百名山に選ばれていなくても良い山や歴史を感じる山はたくさんあります。個人的にはこだわりすぎる必要はないと思います。ただ、やはり登った嬉しさもあるので、今回上げた山に登ってみて興味を持った方は百名山制覇も目指してみるのも良いと思います。※全て日帰りで行ける山ばかりではないので、装備は徐々に増やしていきましょう。

体力レベル・コースデータ比較表

体力レベル・登り時間・下り時間の比較表はこちら
ルート比較表ルート体力レベル登り時間下り時間距離
登り標高差
累計
那須岳
(茶臼山)
ロープウェイ
山頂駅~最短ルート
★☆☆☆☆50分40分2.2㎞
250m
筑波山つつじが丘
おたつ石コース
★★☆☆☆1時間
30分
1時間
10分
4.9㎞
446m
大菩薩嶺表登山道
大菩薩峠経由
★★☆☆☆2時間
10分
1時間
10分
7.4㎞
600m
日光白根山ロープウェイ山頂駅から
白根山ルート
★★★☆☆2時間
10分
1時間
30分
6.7㎞
685m
谷川岳ロープウェイ山頂駅から
天神尾根
★★★★☆2時間
20分
2時間7.1㎞
970m
時間・距離・標高差はいつまでたっても初級者を脱出できない私の行動時間・YAMAPで記録した私の活動データより

那須岳(なすだけ)


<那須岳のルート詳細情報・登山日記はこちら>
那須岳とは
那須岳は茶臼岳・朝日岳・三本槍岳など栃木県北部の那須連山の総称。主峰は茶臼岳(1915m)、最高峰は三本槍岳(1917m)。今回ご紹介するのは那須岳の主峰である茶臼岳です。
コース
那須岳ロープウェイから那須岳の主峰の茶臼岳に登る最短で難易度が一番低いピストンルート。
交通・主要駅からのアクセス
・車の場合
東北道那須ICから35分
・電車の場合
東北新幹線那須塩原駅から那須ロープウェイ山麓駅行きバスで60分
ルートバリエーション
・山麓駅近くの峠の茶屋駐車場~峰の茶屋跡~茶臼岳に登りロープウェイで下山するルート
・ロープウェイで茶臼岳~朝日岳~三本槍岳の那須三山を縦走するルート
※2つのコースも日帰り可能ですが、三山縦走は10㎞近くのルートで体力は必要です。

那須岳ルートマップ※那須マウントホテルより
施設
売店・茶屋/山麓駅・山頂駅・峠の茶屋に売店あり
トイレも同様に登山口と山頂駅にあり、コース途中・山頂にはなし
体力レベル
ロープウェイ山頂駅から山頂までのピストンであれば登りは1時間程で往復2時間弱。斜度は多少あるもののゆっくり行けば初心者でも問題ありません。行き又は帰りのみロープウェイを使う場合やロープウェイを使わない場合の体力レベルが上がるのでご注意ください。
那須岳のおすすめポイント
・ロープウェイで9合目まで登れる
・整備された登山道
・軽装でも登れる気楽さ
・2000m近く低山にはない眺望
・体力レベルに応じたルートバリエーション
・火山ならではの迫力ある山容
那須岳はロープウェイで9合目まで登ることができる上に山頂の標高は1915mと2000m近い山でかつ茶臼岳は活火山ということもあってか石・岩だけで森林限界を超えた風景が周りにあるので、気楽に行ける絶景の山です。
那須岳の注意点
ロープウェイ終了時間に注意するのと、強風などの天候の悪化によって終了時間前にロープウェイが終了する場合もあるとのことなので、終了情報や天候の急変などにはご注意ください、

筑波山(つくばさん)


<筑波山のルート詳細情報・登山日記はこちら>
筑波山とは
筑波山は茨城県つくば市の北端にある標高877mの山で女体山(877m)・男体山(871)の双耳峰。関東平野の多くのところから見る事ができるため「西の富士・東の筑波」と言われるほどの有名な山。日本百名山の中で最も標高が低い百名山で、1000m未満の山も鹿児島県の開聞岳(924m)と2座だけとなっています。
コース
中腹まで登ったロープウェイのつつじヶ丘駅~登るおたつ石コースから登り、女体山・男体山の二つを登り、ケーブルカー沿いの御幸ヶ原コースを降りるルート。
交通・主要駅からのアクセス
・車の場合
常磐自動車道土浦北ICから40分
北関東自動車道桜川筑西ICから40分
・電車の場合
つくばエクスプレスつくば駅からつつじヶ丘行きバスで50分
ルートバリエーション
筑波山神社からも2つのルートあり
・御幸ヶ原コース
・白雲橋コース
男体山・女体山の間にある御幸ヶ原へロープウェイ・ケーブルカー駅がありそれを使えばほぼ登らず山頂まですぐ行けます。車の場合は筑波山神社から白雲橋コースで登り、御幸ヶ原コースで降りるラウンドルートであればバスを使う必要がないのでおすすめですが、距離は長くなるので体力レベルは1ランク上がるイメージになります。

筑波山ルートマップ※つくばエクスプレスHPより
施設
売店・茶屋/筑波山神社・つつじヶ丘駅周辺・山頂エリア(御幸ヶ原)に茶屋多数あり
トイレも同様・登山口と山頂エリアにあり、コース途中にはなし
体力レベル
おたつ石コースから登るルートは距離は短いものの、白雲橋コースとの合流以降は斜度が高いのでちょっとした体力は必要になります。体力に自信が無い方は最初から急がずゆっくり歩くのがおすすめです。白雲橋コースの場合は登りの距離・標高差も増える為、より体力が必要になります。
筑波山のおすすめポイント
・電車・バスでも登山口にアクセスできる
・弁慶の七戻りなど巨岩・奇石
・山頂から関東平野を一望する眺望
※天気がよければ富士山・スカイツリーも見えます
・山頂エリアに茶屋・ビールあり
・山頂までの往復4h程度で日帰り可能
・登山口近くに日帰り温泉が入れる場所あり
1000mない筑波山ですが、ルートによってしっかりとした山登りをするもよし、ロープウェイ・ケーブルカーで楽々山頂エリアに行くもよし。体力レベルによって色々な楽しみ方が出来る山です。
※筑波山の四季や筑波山で会える動植物などを知ってから行きたい方はポケット版 筑波山 自然図鑑(ネイチャーガイド)などの書籍を見てから行くのも良いですね。
筑波山の注意点
筑波山のコース内には滑りやすい蛇紋岩が多くある為、しっかりとした登山靴であっても滑りやすいので注意が必要です。また、人気の山で季節によっては多くの人が訪れる為、山頂近辺の登山道の渋滞が発生する事もあるのでご注意ください。

大菩薩嶺(だいぼさつれい)


<大菩薩嶺のルート詳細情報・登山日記はこちら>
大菩薩嶺とは
大菩薩嶺は山梨県甲州市と北都留郡丹波山村にまたがる標高2057mの山で、奥秩父山塊に位置する山。大菩薩峠~雷岩の稜線が美しく、富士山がきれいに見える山です。
コース
上日川峠・ロッヂ長兵衛~福ちゃん荘~表登山道で介山荘~稜線を登って雷岩~山頂へ。山頂からの下山は雷岩~唐松尾根で福ちゃん荘へ向かうルートです。
交通・主要駅からのアクセス
・車の場合
中央道勝沼ICから30~40分
※上日川峠駐車場は100台ほど
・電車の場合
甲斐大和駅から上日川峠バス停までバスで40分
塩山駅から大菩薩峠登山口まで20分~30分ほど※2路線あり
ルートバリエーション
・上日川峠から石丸峠に抜けるルート
・大菩薩登山口から柳沢峠~丸川峠を経由するルート
・丸川峠分岐から丸川峠を経由するルート
※丸川峠分岐にも駐車場15台ほど

大菩薩嶺のルートマップ※大菩薩観光協会HPより
施設
小屋・茶屋/ロッヂ長兵衛・福ちゃん荘・介山荘に売店・トイレあり
全ての山小屋で宿泊可能・テント場は長兵衛と福ちゃん荘にあります
体力レベル
福ちゃん荘から大菩薩峠に向かう表登山道は距離としては長くなりますが、斜度が優しくなるため比較的楽に登れるルートです。ハイライトとしては大菩薩峠からの気持ちの良い稜線歩き。下山ルートの唐松尾根は斜度が高いので、こちらから登る場合はしっかり体力が必要です。ルートバリエーションのその他のルートも距離が長くなるので、体力レベルは上がります。
大菩薩嶺のおすすめポイント
・気軽に行ける100名山
・大菩薩峠からの絶景稜線歩き
※天気が良ければ富士山の眺望あり
・テント泊デビュー・練習に向いてます
※登山口近くにテント場がある為
・ルート中間点の介山荘がありがたい
・登山口近くに温泉あり
大菩薩嶺の注意点
特に大きな注意点はありませんが、東京方面から向かう場合は土日や夏休みなど中央道の帰りの渋滞は避けられないかもしれません。

日光白根山(にっこうしらねさん)


<日光白根山のルート詳細情報・登山日記はこちら※準備中>
日光白根山とは
日光白根山は栃木県日光市と群馬県片品村の境界にある標高2578mの山で、活火山で関東以北で最高峰の山です。
コース
丸山高原スキー場のロープウェイで山頂駅~白根山コースを登るルート
交通・主要駅からのアクセス

・車の場合
関越自動車道沼田ICから50分
日光宇都宮道路清滝ICから60分
・電車の場合
東武日光駅からバスがありますが2h程かかるようです
ルートバリエーション

ロープウェイ山頂駅~白根山コースで山頂ピストンするルート以外に
・山頂から弥陀ヶ池を回るルート
・山頂から五色沼を回るルート
・ロープウェイなしで栃木側の湯本温泉から登るルート
※ロープウェイなしで登るルートは距離13㎞・標高差1000m以上で昇り降りもある為累計標高差は2000m近くと私から見れば上級者のルートです。

日光白根山のルートマップ※丸山高原HPより
施設

山頂駅に天空テラス・天空の足湯・天空カフェ・トイレあり
※ルート途中にはトイレ・売店・茶屋はありません
体力レベル

ロープウェイを利用して2000m近くまで登れますが、そこからさらに累計で700m近く登る往復の行程は体力が必要です。
日光白根山のおすすめポイント

・ロープウェイで山腹まで行ける
・関東以北最高峰2500mを超える標高
・山頂手前の森林限界を超えたポイントでの景色
・山頂からの眺望・五色沼の景色
・山頂周辺は広く食事を取るポイントが多数
・沼田ICに戻る間に日帰り湯多数あり
・焼肉店あおぞらでのカロリーバック
日光白根山の注意点
山頂周辺エリアは広いですが、山頂碑近くは岩場で狭く混雑時などは高さのある岩で待つ形になることもあるので、山頂の足場は注意ください。また、工程の中でトイレや売店・茶屋などは無い為、行動食・食事・携帯トイレなど、準備は忘れずにしていきましょう。

谷川岳(たにがわだけ)


<谷川岳のルート詳細情報・登山日記はこちら※準備中>
谷川岳とは
谷川岳は群馬県のみなかみ町と新潟県の湯沢町の県境にある三国山脈という山脈の中にある標高1977mの山。トマの耳・オキの耳という2つのピークを持つ双耳峰で急峻な岩稜帯で構成されている山ゆえロッククライミングなどもさかんに行われている。また、死者数のギネス記録もある山で一般登山道から外れた箇所での遭難事故が多い山でもある。
コース
谷川岳ロープウェイから天神平スキー場のリフトで天神峠駅~天神尾根で肩の小屋を経由してトマノ耳・オキノ耳へ行くルートです。
交通・主要駅からのアクセス

・車の場合
関越自動車道水上ICから25分
・電車の場合
JR土合駅からロープウェイまで徒歩20分程度
※高崎方面からの場合は名物階段が400段以上あり、それ以上かかります
JR水上駅からロープウェイ行きのバスもあり、谷川岳ロープウェイのHPはそちらをおすすめしているので、通称モグラ駅の土合駅を見に行きたい方以外はバスを利用するのが良さそうです。
ルートバリエーション

ロープウェイに乗らないルートでロープウェイ駅から徒歩で行けるルートは以下2つ
・田尻尾根ルート
・西黒尾根ルート
この2つのルートはロープウェイを使わない分標高差も1000mを超えるルートです。また、西黒尾根は日本三大急登にも数えられる急登です。個人的には天神尾根のルートですらかなりキツイと感じましたので、天神尾根ルートをコースタイム通りかつ楽に登れるようになるまではこちらのルートは難しいかと思います。

谷川岳のルートマップ※谷川岳ロープウェイHPより
施設

ロープウェイ山麓・山頂駅・山頂手前の肩の小屋に売店・トイレあり。肩の小屋は宿泊も可能。
体力レベル

上記にも記載していますが、天神峠から肩の小屋までの中間地点、熊穴沢避難小屋までは緩やかなルートですが、避難小屋から肩の小屋までの登りは初級ヘタレ登山愛好家の私としてはかなり厳しい斜度が続くので、体力に自信が無い方は事前に多少トレーニングをした方が良いと思います。
谷川岳のおすすめポイント

・森林限界を超える稜線歩き
※2000m満たないが豪雪地帯のため限界が低い
・切り立った迫力ある群馬側の切り立った山容
・きついルートを登り切った達成感と景観
・山頂手前に小屋がありトイレもあり
・レベルの高い山にロープウェイで挑戦できる
・電車でも行けて車でもICからのアクセスが良い
※おすすめ書籍は昭和の時代から登山先として人気だった谷川岳の昔を知ることができるブルーガイド復刻版 谷川岳と上越の山。昭和36年刊行の書籍ページを画像化したもので、記載情報も当時のままという大変貴重な本です。
谷川岳の注意点
体力に自信のない初心者の方は避けた方が良いと感じるほどの急登が続くルートなので、ロープウェイがあるから楽に行けると思って挑戦するときつくて帰りたくなる方も出てくるかも。

日本百名山をもっと知りたい方へ

今回あげた5つの山以外にも100名山は95あります。その中にもロープウェイやケーブルカーで楽に登れる山や、車や電車・バスでアクセスしやすい山なども多数あります。関東近郊だけでなく、八ヶ岳や日本アルプスなど3000近い山々などの中にも簡単に登れる山を知りたい、100名山をもっと知りたいという人は、私も持っている日本百名山ベストプランBOOKなどの書籍(電子書籍)で行きたい山があるか見てみるのも良いですね。

初心者が行く登山で気を付けること

登山は年齢関わらず楽しめると同時に自然を相手にする為、危険も潜んでいます。私は運動とも疎遠になった40代で登山を始めましたが、熱中症寸前・高山病寸前・膝痛発症などで下山困難だと感じたシーンは何度もありました。そうならない為にも、初心者の方が登山を始めようと思った時、こんなことを注意して欲しいということを記載しておきます。
<気を付ける事>
・単独行動は避け、経験者と一緒に行くこと
・最初は簡単な山や人が多い山から始めること
・事前にエスケープルートも考えておくこと
・自分が思うよりゆっくり行くこと
・苦しくなったら無理をせず休むこと
・それでも良くならなければ下山すること
<持ち物>
・行程によるが飲み物は少なくとも1L以上は持っていく
※茶屋があっても持って行くべし
・食事は何かあった時のために少し多めに用意する
※行動食を多めに持っていくなどすると良い
・レインウェア・防寒具は必ず持っていく
<マナー>
登山マナーについては、いろいろなところに記載があるので、そちらで詳しく見て頂ければと思います。私なりの理解としては、自然と他人に迷惑をかけないことを心掛ける事が第一と思っています。
登山のマナーについてはこちらから※YAMA HACKより

ヘタレ初級登山愛好家のまとめ

関東近郊の百名山は25座程ありますが、日帰りで行ける山もまだまだあります。今回は初心者の方が気軽に行ける山から、ちょっと頑張れば行ける山、比較的有名な山、アクセスの良い山を選択しました。私もこの5座以外でも日帰りで行ける山やテント泊で行った山などもあるので、この5座以外も機会をみつけて公開していきたいと思います。

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